参院選の公示後、初の週末を迎えた5日、佐賀選挙区(改選数1)では候補者4人が炎天下を駆け、街頭演説や決起集会で支援を訴えた。熱中症警戒アラートが発令される酷暑となり、各陣営は冷却グッズやテントを用意するなど、暑さ対策を取り入れながら真夏の選挙戦に臨んでいる。
立憲民主新人の富永明美候補(51)は江北町や白石町、太良町を回った。帽子や首に巻く冷却グッズをつけ、汗をぬぐいながら街頭演説。鹿島市の道の駅などでマイクを握り、「裏金などのゆがんだ政治が長年まかり通ってきた。見過ごすことはできない」と声を張り上げた。
有明海再生や農家支援も訴え、夜は鹿島市での総決起大会に臨んだ。「『変えてください』という声が多かった。暑いですけど、今しかない。追いつけるように、汗だくになって動いていく」と話した。
自民現職の山下雄平候補(45)は太良、鹿島、嬉野の3市町を回り、スーパーやホームセンターなどで演説した。陣営が用意した日よけテントの中で演説を聞いていた支援者と握手を交わし、汗をしたたらせながら選挙カーに乗り込んだ。
夕方には決起大会を嬉野市、鹿島市で開いた。「皆さんの思いに応えたいという気持ちは誰にも負けない。皆さんからの宿題や課題があるから負けられない」と訴えた。集会後、「党や政権への逆風が吹いているが、厳しい選挙戦を勝ち抜きたい」と話した。
参政新人の下吹越(しもひごし)優也候補(32)は終日、唐津市と玄海町で支持を訴えた。午前中は呼子朝市通りを練り歩き、30分間で約100人と言葉を交わした。「こんなに多くの人に囲まれたのは初めて」とスタッフに興奮気味に話し、「既存政党の政治に終止符を打ちたい」と力を込めた。
政治団体「NHK党」の松尾芳治候補(47)は伊万里市のJR伊万里駅前で演説し、約30分間にわたってNHK改革や減税などの政策を訴えた。(参院選取材班)
■きょうの街演 7月6日
【松尾候補】午後=佐賀市
【富永候補】終日=鳥栖市、基山町▽決起大会=18時・基山町民会館
【山下候補】午前=有田町▽午後=伊万里市▽決起大会=18時半・JA伊万里会館
【下吹越候補】午前=上峰町▽午後=鳥栖市