<みどりを考える>持続可能な未来に向けて
【佐賀の森林】県土の45%が森林 人工林率は全国1位

東西南北に長く弓なりの形を描く日本列島。急峻な山地や山脈が背骨のように連なる地形から、平野は海に面した地域に限られ、国土の多くを森林が占めている。
日本の国土面積(北方領土を除く)は約3730万㌶。そのうち森林面積は約2502万㌶で、国土に対して森林が占める割合である森林率は67%となっている。森林のうち、木材生産などを目的に人為的に植えた人工林が約1009万㌶で、森林全体に占める人工林率は40%に上る。

一方、佐賀県は面積が24万4067㌶で、都道府県別では全国で42位。森林面積は11万12㌶で森林率は45%(全国39位)。しかしながら人工林は7万3505㌶で、人工林率67%と全国トップとなっている。昔から限りある山林を利用し、手をかけながら林業を営んできたことが分かる。自然の力で発芽して育った天然林は2万7409㌶で森林面積の25%を占めている。
佐賀県の地形を見ると、県北東部から西に連なる脊振山系・天山山系と、県南部の多良岳山系の山麓を挟むように丘陵地があり、森林を形成している。一方、県東部の筑後川流域から県央部、県南部の有明海側にかけては広大な平野が広がっている。
市町別では、最も森林面積が広いのが唐津市の2万5394㌶。森林率は有田町が58.4%で最も高い。
※データは令和6年度佐賀県森林・林業統計要覧から引用(令和4年3月31日現在)

【多面的な森林の機能】
私たちを支える8つの森のチカラ
森林をはじめとする「みどり」はただそこにあるだけでなく、多面的な機能で人間の生活を支えている。森林が持つ8種類の公益的機能について説明する。








これらの機能は、それぞれが独立しているわけではなく、相互に深く関連し合っている。森林を適切に保全し、持続的に利用していくことは、私たちの未来にとって極めて重要なことである。
【参考文献】
日本学術会議答申『地球環境・人間生活にかかわる農業および森林の多面的な機能の評価について』 2001年
日本森林学会編『森林学の百科事典』 2021年,丸善出版
堀大才編著『樹木学事典』 2018年,講談社
村井樹昭『樹木の構造と機能』 2022年,太良町森林組合